確定申告書AとBの違いと選び方【現在は廃止・統合済み】

確定申告書AとBの違いと選び方【現在は廃止・統合済み】
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📋 税理士監修 📜 様式変更の経緯 ⏰ 過去分申告対応

確定申告書AとBの違いと選び方【現在は廃止・統合済み】

確定申告書AとBは令和4年分(2022年分)の申告から一本化され、現在は「確定申告書」のみになりました。本記事では、A・Bの違いを振り返り、なぜ統合されたのか、現行様式の使い方、過去年分の還付申告で旧A/Bが必要になるケースまでを網羅的に解説します。

🏆 結論:現在は「確定申告書」のみ。AとBの区別は2022年分から廃止

2026年(令和7年分)の確定申告では、AとBの区別はありません。「確定申告書」という一つの様式に一本化されています。新様式は旧Bに近い構造で、会社員の方も個人事業主の方も同じ様式を使います。ただし、5年以内の還付申告で過去分(2021年分以前)を遡及申告する場合は、当時の旧A/B様式が必要です。

確定申告書AとBの統合の歴史

確定申告書の様式変更は、税務行政のデジタル化(DX)と書類簡素化の一環として段階的に進められました。時系列で整理します。

様式変更の経緯

時期 変更内容
2021年分まで(令和3年分)確定申告書A・Bの2種類を所得で使い分け
2022年分から(令和4年分)申告書Aが廃止、Bに近い形に一本化。第五表も廃止
2023年提出(令和4年分申告)新様式での提出開始
2026年提出(令和7年分申告)統合後の様式を継続使用(A・B表記なし)

📢 検索でよくある誤解

「確定申告書A B 違い」と検索する方の多くは現行の様式を選びたいと考えていますが、実は2022年分以降は選ぶ必要がありません。1種類しかないため、自動的にそれを使うことになります。古い情報サイトでは依然として「Aは会社員向け、Bは個人事業主向け」という解説が残っているため、混乱しないよう注意してください。

旧確定申告書AとBの違い【参考:2021年分まで】

過去分の還付申告(5年以内)で旧様式が必要になるケースのために、A・Bの違いを整理します。

確定申告書Aの特徴(旧様式・廃止済み)

項目 確定申告書A
使える人会社員・パート・年金受給者などで申告所得が限定される方
対応所得給与所得・公的年金等・その他の雑所得・配当所得・一時所得のみ
特徴記入欄が少なく簡易的
よくあるケース会社員が医療費控除・住宅ローン控除(初年度)を受ける時
使えなかったケース事業所得・不動産所得・譲渡所得・予定納税ありの方

確定申告書Bの特徴(旧様式・現「確定申告書」のベース)

項目 確定申告書B
使える人所得の種類を問わず誰でも
対応所得10種類すべての所得(事業・不動産・譲渡・配当・利子・給与・退職・山林・一時・雑)
特徴記入欄が多く汎用的
よくあるケース個人事業主・フリーランス・不動産オーナー
必須だったケース事業所得・不動産所得・予定納税ありの方

AとBの主な記入項目の違い

項目 申告書A 申告書B
事業所得記入欄なしあり
不動産所得記入欄なしあり
利子所得・配当所得(総合)配当のみあり両方あり
退職所得記入欄なしあり
山林所得記入欄なしあり
予定納税額記入欄なしあり
青色申告特別控除記入欄なしあり
専従者給与記入欄なしあり

なぜ統合されたのか:3つの理由

理由1:税務行政のデジタル化(DX)

e-Taxの利用率向上に伴い、紙の様式を維持する意義が薄れました。電子申告では入力フォームの動的表示が可能なため、A・Bを分ける必要がなくなりました。マイナポータル連携などのDX施策と平仄を合わせる形で、紙様式も統合されました。

理由2:誤った様式での提出ミスの防止

「Aを使うべきなのにBを使った」「Bを使うべきなのにAを使った」という選択ミスが発生していました。例えば、副業収入が事業所得相当になる方が誤ってAで申告し、後から修正申告するケースなどです。様式の統合により、こうしたミスが原理的に発生しなくなりました。

理由3:書類簡素化と一貫性の確保

同じ「確定申告」という手続きに2種類の様式があるのは、新規利用者にとって分かりにくさの原因でした。1種類に統合することで、初めての方でも迷わず作成できるようになりました。

現行の確定申告書(統合後の様式)

2022年分(令和4年分)以降の確定申告書は、旧Bに近い様式に統一されました。第一表・第二表の2ページ構成は変わりません。

新様式の主な構成

様式 役割 使う人
第一表収入・所得・税額計算・還付口座等全員
第二表所得の内訳・社会保険料・住民税情報等全員
第三表分離課税用(株式譲渡・土地建物譲渡等)分離課税対象者
第四表損失申告用(純損失・雑損失の繰越等)赤字繰越者
第五表廃止(修正申告は第一表に統合)使用しない

第三表・第四表が必要な人

様式 使うケース
第三表(分離課税用)株式・投資信託・土地建物の譲渡所得、退職所得(受給に関する申告書未提出時)、山林所得、先物取引所得
第四表(損失申告用)事業の純損失を翌年以降に繰り越したい青色申告者、災害等による雑損失を繰り越したい方

新様式で旧Aユーザー(会社員等)が記入する項目

会社員の方は、新様式の以下の欄だけ記入すればOKです。事業・不動産関連の欄は空欄のままで構いません。

📐 会社員が記入する主な欄

  • 収入金額等の「給与」欄
  • 所得金額等の「給与」欄
  • 所得から差し引かれる金額(各種控除)
  • 税金の計算(源泉徴収税額・差引納付/還付税額)
  • 還付される税金の受取場所(還付申告の場合)

新様式で旧Bユーザー(個人事業主等)が記入する項目

個人事業主の方は、旧様式とほぼ同じ感覚で記入できます。新たに「振替継続希望」「公金受取口座」の欄が追加されています。

📐 個人事業主が記入する主な欄

  • 収入金額等の「事業」欄
  • 所得金額等の「事業所得」欄(青色申告特別控除後)
  • 所得から差し引かれる金額(各種控除)
  • 税金の計算・予定納税額
  • 振替継続希望(住所変更時)
  • 公金受取口座登録の同意・利用

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過去年分の還付申告で旧A/Bが必要なケース

確定申告書の様式は「申告対象年分」のものを使うルールです。5年以内なら還付申告できるため、2021年分以前の還付申告では旧A・B様式を使う必要があります。

還付申告の遡及可能期間

対象年分 使う様式 還付申告の期限(2026年5月時点)
2021年分(令和3年分)旧確定申告書A or B2026年12月31日(最終年)
2022年分(令和4年分)新「確定申告書」2027年12月31日
2023年分(令和5年分)新「確定申告書」2028年12月31日
2024年分(令和6年分)新「確定申告書」2029年12月31日
2025年分(令和7年分)新「確定申告書」2030年12月31日

⚠️ 2021年分の還付申告は2026年中が最終チャンス

2021年分(令和3年分)の還付申告は、5年の時効により2026年12月31日までに提出する必要があります。医療費控除の漏れ・住宅ローン控除の初年度漏れ・ふるさと納税のワンストップ忘れなど、心当たりがある方は早めに対応しましょう。詳しくは更正の請求で払いすぎた税金を取り戻す手順記事をご覧ください。

旧様式の入手方法

2021年分以前の旧A/B様式は、国税庁サイトの「確定申告書等の様式・手引き等(過去年分)」のページからPDFでダウンロードできます。検索する際は「令和3年分以降用」など年分を明示しましょう。

入手方法 特徴
国税庁サイトの過去年分PDF無料・自宅で印刷可能
税務署窓口過去様式の在庫が限られている可能性
e-Tax(確定申告書等作成コーナー)過去5年分の様式に自動対応

新様式における主な変更点

旧Bユーザー(個人事業主)から見ても、新様式には微妙な変化があります。主な変更点を整理します。

変更点1:第五表(修正申告用)の廃止

従来は修正申告の際、第一表+第五表を併用していましたが、第五表が廃止され、第一表に「修正申告」欄が新設されました。第一表の「修正申告」欄に、修正前の税額・修正後の増加額を記入します。

時期 修正申告の様式
2021年分以前第一表(B様式)+ 第五表
2022年分以降第一表(修正申告欄)+ 第二表のみ

変更点2:振替継続希望欄の新設

2023年1月1日から「納税地の異動に関する届出書」が原則不要になりました。引越し等で納税地が変わった際、振替納税を継続したい場合は、新しい納税地での申告書の「振替継続希望」欄に○を記入するだけでOKです。

変更点3:公金受取口座登録欄の新設

マイナンバー制度のデジタル化施策として、公金受取口座を申告書から登録できるようになりました。第一表の「還付される税金の受取場所」に記載した口座を、デジタル庁の公金受取口座として登録する場合に「公金受取口座登録の同意」に○を記入します。

該当パターン 記入箇所
登録したい・還付口座も同じ「公金受取口座登録の同意」に○
既に登録済・その口座へ還付希望「公金受取口座の利用」に○(口座記載不要)
登録不要・別口座に振込希望「還付される税金の受取場所」に通常記入

変更点4:所得税の還付方法の選択肢が拡大

還付金の受取方法として、ゆうちょ銀行・銀行口座振込のほか、公金受取口座を通じた振込も選択可能になりました。一度公金受取口座を登録すれば、翌年以降の口座記入が省略できます。

2026年(令和7年分)の確定申告書の特徴

2026年に提出する令和7年分の確定申告書は、統合後様式を引き続き使用しますが、税制改正に伴う以下の変更があります。

改正項目 内容
基礎控除の引き上げ段階制で最大95万円まで(従来は一律48万円)
給与所得控除の最低保障65万円に引き上げ(従来は55万円)
特定親族特別控除の新設19〜22歳の親族向け(3〜63万円)
扶養・配偶者の所得要件「58万円以下」に変更(従来は48万円以下)
勤労学生控除の所得要件85万円以下に変更(従来は75万円以下)

e-Taxを使えば様式を意識する必要なし

確定申告書等作成コーナー(e-Tax)を使えば、様式の選択を意識する必要はありません。質問形式で入力するだけで、適切な様式(第一表・第二表・必要に応じて第三表/第四表)が自動的に選ばれます。

e-Taxのメリット

メリット 内容
様式選択が自動第三表・第四表の必要性も自動判定
過去年分の様式にも対応5年以内の還付申告も電子完結
入力エラーチェック記入漏れ・計算間違いを警告
青色65万円控除対応e-Tax提出が要件の一つ
マイナポータル連携控除証明書の自動取得

e-Taxの利用方法・操作手順はe-Tax(電子申告)の確定申告のやり方記事で詳述しています。

様式選びでよくある誤解

誤解 事実
会社員はAを使うべき2022年分以降、A・Bの区別なし。会社員も新「確定申告書」
個人事業主はBを使うべき同上。新「確定申告書」一択
様式が変わったから記入が大変旧Bユーザーには大きな変更なし。旧Aユーザーは関係ない欄が増えるだけ
過去分も新様式で申告対象年分の様式を使う必要あり。2021年分以前は旧A/B
第三表・第四表は不要になった第三表・第四表は継続使用。廃止されたのは第五表のみ
A・Bの区別がないからどれでも提出OK必ず申告対象年分の様式を使う必要あり

よくある質問

2026年の確定申告で、AとBどちらを使えばいいですか?
どちらも使いません。2022年分(令和4年分)の申告から、AとBは廃止され「確定申告書」一本に統合されています。会社員も個人事業主も、同じ「確定申告書(第一表・第二表)」を使います。国税庁サイトで「令和7年分」のPDFをダウンロードしてください。
2021年分の還付申告をしたいのですが、どの様式を使えばいいですか?
2021年分(令和3年分)は、当時の旧確定申告書A または Bを使います。会社員で給与所得・公的年金・配当所得・一時所得のみなら旧A、それ以外(事業所得・不動産所得・予定納税ありなど)は旧Bです。国税庁サイトの「過去年分の様式」ページからダウンロードできます。e-Taxを使えば自動で適切な様式が適用されます。
旧確定申告書Aを使ったほうが簡単だったのではないですか?
旧Aユーザーから見ると新様式は記入欄が増えて見えますが、関係のない欄(事業所得・不動産所得など)は空欄でOKです。実際の記入箇所は旧Aと変わりません。e-Taxを使えば質問に答えるだけで自動入力されるため、紙の様式選びを気にする必要はなくなりました。
第五表の廃止で、修正申告のやり方はどう変わりましたか?
2022年分以降は、第一表に「修正申告」欄が新設されたため、第五表を使わずに修正申告ができます。第一表に修正前の税額と修正後の増加額を記入し、第二表とあわせて提出します。修正申告の詳細は確定申告の修正申告が必要な場合の手続き記事を参照してください。
クラウド会計ソフトは新様式に対応していますか?
主要なクラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード・弥生)は、すべて新様式に対応しています。確定申告書をオンラインで作成し、そのままe-Taxで送信できます。過去年分の様式にも対応しているため、5年以内の還付申告にも利用可能です。
第三表(分離課税用)と第四表(損失申告用)は今も使うのですか?
使います。廃止されたのは第五表(修正申告用)のみです。株式・投資信託の譲渡所得、土地建物の譲渡所得、退職所得(受給に関する申告書未提出時)は引き続き第三表が必要です。事業の純損失を翌年以降に繰り越す場合は第四表が必要です。
公金受取口座の登録は必須ですか?
必須ではありません。任意の制度です。登録しなくても従来通り、申告書に振込口座を記入すれば還付金は受け取れます。登録しておくと、翌年以降の確定申告で口座記入を省略でき、給付金等の受取も同じ口座でスムーズになります。

まとめ

📋 この記事のポイント

  • 確定申告書AとBは2022年分(令和4年分)から廃止、現在は「確定申告書」のみ
  • 新様式は旧Bに近い構造。会社員も個人事業主も同じ様式
  • 2021年分以前の還付申告は当時の旧A/B様式が必要
  • 2021年分の還付申告は2026年12月31日が最終期限
  • 第五表(修正申告用)も廃止。第一表に修正申告欄が新設
  • 第三表(分離課税)・第四表(損失申告)は継続使用
  • e-Taxを使えば様式選択は自動。紙様式を意識する必要なし
  • 2026年(令和7年分)は基礎控除引き上げ等の税制改正を反映

✅ 次のアクション

  • 国税庁サイトから「令和7年分」の確定申告書PDFをダウンロード
  • e-Tax確定申告書等作成コーナーで様式自動選択を活用
  • 2021年分の還付申告に心当たりがある方は2026年内に対応
  • 分離課税・損失繰越がある方は第三表・第四表も準備
  • マイナンバーカードで公金受取口座登録を検討

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