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確定申告で住民税はいくら?所得税との違いと支払いタイミング
確定申告後の住民税がいくらになるか気になる個人事業主に向けて、所得割10%・均等割5,000円の計算方法、所得税との違い、6月・8月・10月・翌1月の納付スケジュールを完全ガイドします。この記事を読めば、自分の住民税額を試算でき、所得税との連動関係も把握できます。
🏆 結論:住民税=所得割10%+均等割5,000円(森林環境税1,000円含む)
住民税は、前年所得に応じた所得割10%(都道府県4%+市町村6%)と一律の均等割5,000円(均等割4,000円+森林環境税1,000円)の合計です。所得税と違い賦課課税方式で、確定申告すれば住民税の申告は不要。納付は6月・8月・10月・翌1月の年4回(普通徴収)。所得控除額は所得税より住民税のほうが小さく(基礎控除45万vs95万円)、所得税ゼロでも住民税はかかるケース多数。確定申告の控除を最大化し、副業会社員は第二表で「自分で納付」を選択して会社にバレ防止。
住民税とは?所得税との4つの違い
結論から言えば、住民税は都道府県および市区町村に納める地方税で、所得税(国税)とは別の税金です。住民税と所得税の比較
| 項目 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 税の区分 | 国税 | 地方税(都道府県+市町村) |
| 納税方式 | 申告納税方式 | 賦課課税方式(自治体が計算) |
| 課税対象期間 | 当年1〜12月の所得 | 前年1〜12月の所得 |
| 税率 | 5〜45%(超過累進) | 所得割一律10%+均等割5,000円 |
| 納付時期 | 3月15日(振替4月) | 6月・8月・10月・翌1月の年4回 |
| 基礎控除 | 95万円(2,500万円以下) | 45万円(2,500万円以下) |
| 配偶者控除 | 最大38万円 | 最大33万円 |
💡 実務のポイント:所得税ゼロでも住民税はかかる
住民税は所得税よりも所得控除額が小さいため、所得税はゼロでも住民税は発生するケースが多数。例えば、所得95万円の方は基礎控除95万円で所得税ゼロですが、住民税の基礎控除は45万円なので所得割は(95万-45万)×10%=5万円が課税。さらに均等割5,000円も加算されます。「確定申告で所得税ゼロだから住民税もゼロ」という勘違いは多いので注意。住民税は地域社会の会費的性格があり、控除を厳しく設定しているのが特徴です。
住民税の計算式【所得割10%+均等割5,000円】
住民税は次の式で計算されます。🧮 住民税の基本計算式
住民税 = 所得割 + 均等割
所得割 =(前年所得 - 所得控除)× 10% - 税額控除
内訳:都道府県民税4% + 市町村民税6%
※政令指定都市は都道府県民税2% + 市民税8%
均等割 = 5,000円
内訳:都道府県民税1,000円 + 市町村民税3,000円 + 森林環境税(国税)1,000円
所得割の標準税率
所得割は、前年の1月1日から12月31日までの所得金額に応じて課税される税金で、標準税率は10%(道府県民税4%+市町村民税6%)です。政令指定都市の場合、10%の内訳は「道府県民税2%+市民税8%」となります。均等割の内訳
均等割は所得の金額にかかわらず、一律で課税される税金です。標準的な均等割額は4,000円(道府県民税1,000円+市町村民税3,000円)。これに加えて、令和6年度(2024年度)から森林環境税(国税)1,000円が上乗せされ、合計5,000円となっています。| 区分 | 通常自治体 | 政令指定都市 |
|---|---|---|
| 所得割(都道府県民税) | 4% | 2% |
| 所得割(市町村民税) | 6% | 8% |
| 所得割合計 | 10% | 10% |
| 均等割(都道府県民税) | 1,000円 | 1,000円 |
| 均等割(市町村民税) | 3,000円 | 3,000円 |
| 森林環境税(国税) | 1,000円 | 1,000円 |
| 均等割合計 | 5,000円 | 5,000円 |
📢 自治体独自の超過課税に注意
住民税には全国で統一された標準税率がありますが、都道府県や市町村は条例により独自の税率を設定できます。例えば横浜市はみどり税で均等割900円上乗せ、神奈川県は水源環境保全税で所得割0.025%上乗せ、兵庫県は県民緑税で均等割800円上乗せなど、自治体により税負担が異なります。引っ越し時には課税地(1月1日時点の住所地)の超過課税状況を確認しておくとよいでしょう。
所得税と住民税の所得控除額の違い
住民税の最大の落とし穴は、所得税と住民税で所得控除額が異なる点です。| 所得控除 | 所得税 | 住民税 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 基礎控除(2,500万円以下) | 95万円 | 45万円 | 50万円 |
| 配偶者控除(一般) | 38万円 | 33万円 | 5万円 |
| 配偶者控除(老人) | 48万円 | 38万円 | 10万円 |
| 扶養控除(一般・19歳以上) | 38万円 | 33万円 | 5万円 |
| 扶養控除(特定・19〜22歳) | 63万円 | 45万円 | 18万円 |
| 扶養控除(老人扶養) | 48万円 | 38万円 | 10万円 |
| 障害者控除(一般) | 27万円 | 26万円 | 1万円 |
| 寡婦控除/ひとり親控除 | 27万円/35万円 | 26万円/30万円 | 1万/5万円 |
| 生命保険料控除(各) | 最大4万円 | 最大2.8万円 | 1.2万円 |
| 青色申告特別控除65万円 | ○適用 | ○適用 | なし |
| 社会保険料控除/iDeCo | ○全額 | ○全額 | なし |
💡 実務のポイント:16歳未満扶養親族は住民税では人数カウント
16歳未満の扶養親族は、所得税法では扶養控除の対象外(所得税の扶養控除はゼロ)です。しかし、住民税の非課税基準の判定においては、16歳未満の扶養親族も人数に含めて計算します。例えば、5歳と10歳、18歳の子供がいる場合、所得税の扶養控除は18歳の子供のみ対象。一方、住民税非課税の判定では3人とも計算に含めるため、非課税基準が緩くなります。年少扶養親族をマイナンバーカードや扶養親族申告書で正確に申告することが重要です。
業種別住民税シミュレーション5パターン
実際の業種別に住民税を試算してみましょう。すべて青色申告(65万円控除済)で計算します。パターン1:Webデザイナー(売上700万円・必要経費200万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 事業所得(売上-経費-65万円控除) | 435万円 |
| 所得控除合計(住民税ベース) | 110万円(基礎45万+社保30万+生命保険2.8万+他) |
| 課税所得 | 325万円 |
| 所得割(325万×10%) | 32.5万円 |
| 均等割(森林環境税含む) | 5,000円 |
| 住民税合計 | 33万円 |
パターン2:Webライター(売上400万円・必要経費200万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 事業所得 | 135万円 |
| 所得控除合計(住民税) | 80万円(基礎45万+社保35万) |
| 課税所得 | 55万円 |
| 所得割(55万×10%) | 5.5万円 |
| 均等割 | 5,000円 |
| 住民税合計 | 6万円 |
パターン3:税理士・士業(売上1,000万円・必要経費300万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 事業所得 | 635万円 |
| 所得控除合計(住民税) | 250万円(基礎45万+小規模共済84万+iDeCo27.6万+社保90万+他) |
| 課税所得 | 385万円 |
| 所得割(385万×10%) | 38.5万円 |
| 均等割 | 5,000円 |
| 住民税合計 | 39万円 |
パターン4:小規模事業者(売上300万円・必要経費150万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 事業所得 | 85万円 |
| 所得控除合計(住民税) | 75万円(基礎45万+社保30万) |
| 課税所得 | 10万円 |
| 所得割(10万×10%) | 1万円 |
| 均等割 | 5,000円 |
| 住民税合計 | 1.5万円 |
パターン5:副業会社員(本業給与500万+副業所得100万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 給与所得(500万-給与所得控除144万) | 356万円 |
| 事業所得(副業) | 100万円 |
| 合計所得 | 456万円 |
| 所得控除合計(住民税) | 130万円(基礎45万+社保75万+生命保険等) |
| 課税所得 | 326万円 |
| 所得割(326万×10%) | 32.6万円 |
| 均等割 | 5,000円 |
| 住民税合計 | 33.1万円 |
普通徴収と特別徴収の違い
住民税の納付方法は次の2種類です。| 区分 | 対象 | 納付回数 | 納付期限 |
|---|---|---|---|
| 普通徴収 | 個人事業主・フリーランス | 年4回 | 6月末・8月末・10月末・翌1月末 |
| 特別徴収 | 給与所得者(会社員・公務員) | 年12回 | 6月〜翌5月の毎月給与から天引き |
| 年金特別徴収 | 65歳以上の年金受給者 | 年6回 | 偶数月の年金から天引き |
普通徴収の納付スケジュール
個人事業主の場合、毎年6月頃に「住民税決定通知書」と納付書が届きます。💡 実務のポイント:納期の特例(常時10人未満の事業主)
従業員が常時10人未満の事業所の場合、市区町村に申請して承認を受けることにより、年12回の納期を年2回にする制度(納期の特例)を利用できます。半年分まとめて納付できるため、給与計算事務の負担が大幅に減ります。源泉所得税の納期特例と併せて検討するとよいでしょう。
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副業をしている会社員が確定申告した場合、副業分の住民税が本業の給与から天引きされて会社に副業がバレる可能性があります。第二表で「自分で納付」を選択
📢 会社に副業を知られたくない場合の手続き
確定申告書第二表「住民税・事業税に関する事項」の「給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」欄で「自分で納付」を選択すると、副業所得分の住民税のみ普通徴収にできます。本業の給与天引きは給与所得分のみとなり、副業分は自宅に納付書が届きます。これで住民税額の急増による副業バレを防げます。ただし、自治体によっては全額を特別徴収にする運用をしているケースもあるため、確実性を求める場合は事前に役所に確認してください。
住民税非課税ライン【所得控除の閾値】
一定の収入以下の場合は住民税が非課税になります。全員が非課税となるケース
| 条件 | 具体的内容 |
|---|---|
| ①生活保護受給者 | 所得割・均等割ともに非課税 |
| ②障害者・未成年者・寡婦・ひとり親 | 前年合計所得135万円以下 |
| ③合計所得が条例で定める額以下 | 扶養親族数に応じた基準 |
年収目安(東京23区・1級地の場合)
| 世帯構成 | 非課税ライン(年収) |
|---|---|
| 単身世帯 | 100万円以下 |
| 夫婦のみ世帯 | 156万円以下 |
| 夫婦+子ども1人 | 205.7万円以下 |
| 夫婦+子ども2人 | 255.7万円以下 |
| 高齢者単身(65歳以上) | 155万円以下 |
住民税申告書【確定申告未提出者】
確定申告も年末調整もしていない人で、住民税の対象になる人は住民税申告書を提出する必要があります。| 該当者 | 理由 |
|---|---|
| 所得税の確定申告書を提出した人 | 税務署→市区町村へ自動連携(申告不要) |
| 勤務先で年末調整を行った人 | 勤務先→市区町村へ給与支払報告書が提出 |
| 年金収入のみの人(申告不要制度該当) | 年金保険者→市区町村へ自動連携 |
| いずれにも該当しない人 | 住民税申告書の提出が必要 |
滞納時の延滞金とペナルティ
住民税を滞納すると、延滞金が発生します。| 滞納期間 | 延滞金率(2026年) | 10万円滞納時 |
|---|---|---|
| 納期限から1ヶ月以内 | 年2.4%(特例基準割合連動) | 月200円程度 |
| 1ヶ月超〜 | 年8.7%(特例基準割合連動) | 月725円程度 |
| 督促状送付(納期限後20日) | 督促手数料発生 | 100〜200円 |
| 差押予告→差押え | 給与・預金・売掛金が対象 | 事業継続に致命的影響 |
確定申告と住民税に関するよくある質問
まとめ:確定申告と住民税の3つの連動ポイント
📋 この記事のポイント
- 住民税=所得割10%(都4%+市6%)+均等割5,000円(森林環境税1,000円含む)
- 政令指定都市は都2%+市8%=10%(合計は同じ)
- 住民税は賦課課税方式で、確定申告すれば住民税の申告は不要
- 納付は普通徴収で6月・8月・10月・翌1月の年4回
- 所得税より住民税のほうが所得控除が小さい(基礎控除45万vs95万円)
- 所得税ゼロでも住民税はかかるケース多数
- 16歳未満扶養親族は住民税の非課税判定では人数カウント
- 副業会社員は確定申告書第二表で「自分で納付」選択で会社バレ防止
- 住民税非課税ライン:単身100万円・夫婦156万円・夫婦+子1人205.7万円(東京23区)
- 引っ越しても1月1日時点の住所地に1年分支払い
- 滞納時の延滞金は1ヶ月超で年8.7%(2026年)
🎯 今日できる次のアクション
- 住民税の控除額(所得税より少ない)で再計算
- 開業2年目の方は6月の納付書到着に備えてキャッシュフロー試算
- 副業会社員は確定申告書第二表で「自分で納付」を選択
- 引っ越し予定なら1月1日時点の住所地を意識
- 住民税非課税ラインの判定で扶養親族(16歳未満含む)を正確に申告
📋 まとめ
住民税は所得割10%+均等割5,000円(森林環境税含む)で構成されます。所得税より所得控除が小さいため、所得税ゼロでも住民税はかかるケース多数。確定申告すれば別途住民税申告は不要で、6月・8月・10月・翌1月の年4回(普通徴収)で納付します。副業会社員は第二表の「自分で納付」選択でバレ防止可能。鮎澤パートナーズは税理士・公認会計士のワンストップで、確定申告・住民税最適化・控除活用を支援します。
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