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住宅ローン控除を初年度に確定申告する方法【必要書類と記入例】
マイホームを取得した翌年は、会社員でも住宅ローン控除を受けるために自分で確定申告する必要があります。本記事では住宅区分別の必要書類、省エネ基準別の借入限度額、子育て世帯の上乗せ、e-Tax入力手順、連帯債務・ペアローンの処理まで、初年度の確定申告で迷わないように実務目線で整理します。
🏆 結論:初年度は確定申告必須、2年目以降は年末調整に切替
住宅ローン控除は、入居した年の翌年に確定申告を行うのが基本です。会社員の方でも初年度は確定申告必須で、2年目以降は年末調整で控除を受けられます。必要書類は住宅区分(新築/中古/省エネ基準)で異なり、令和6年以降の新築では省エネ基準適合が原則必須となっています。連帯債務やペアローンは持分に応じて夫婦それぞれが申告します。
住宅ローン控除の基本としくみ
住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)は、租税特別措置法第41条に規定された制度です。住宅ローンを利用してマイホームを新築・取得・増改築した場合、年末のローン残高に応じて所得税が控除され、控除しきれない分は住民税からも控除されます。制度のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 控除率 | 年末ローン残高の0.7% |
| 控除期間 | 新築:13年、中古:10年(区分により異なる) |
| 借入限度額 | 省エネ基準・世帯属性により2,000万〜5,000万円 |
| 所得要件 | 合計所得金額2,000万円以下 |
| 床面積要件 | 原則50㎡以上(合計所得1,000万以下なら40㎡以上特例あり) |
| 居住要件 | 取得後6ヶ月以内に入居・継続居住 |
| 借入要件 | 償還期間10年以上の住宅ローン |
| 住民税控除 | 所得税で控除しきれない分は翌年度住民税から(上限97,500円) |
なぜ初年度は確定申告が必要なのか
会社員でも初年度は確定申告が必須です。理由は、税務署が「住宅取得・住宅ローンの要件をすべて満たしているか」を初回に審査する必要があるためです。初年度の申告が承認されると、翌年10月頃に税務署から「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」が送付され、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けられます。💡 実務のポイント:5年遡及できる
初年度の確定申告を忘れた場合、入居翌年の1月1日から5年間は還付申告が可能です。「住宅を買って数年経つけど控除を申告していない」という方も、過去5年分まで遡って取り戻せます。ただし、各年の年末ローン残高証明書や登記事項証明書など書類の準備が必要なので、早めに着手するのが得策です。
令和7年入居の借入限度額(省エネ基準別・世帯別)
令和6年以降は省エネ基準適合が事実上の必須要件となり、住宅区分が細かく分かれています。令和7年入居の場合の借入限度額をまとめます。新築住宅・買取再販の借入限度額
| 住宅区分 | 一般世帯 (令和7年入居) |
子育て・若者夫婦世帯 (令和7年入居) |
控除期間 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 4,000万円 | 13年 |
| その他の住宅(省エネ基準非適合) | 借入限度額0(原則控除不可) | 借入限度額0(原則控除不可) | ― |
※「子育て・若者夫婦世帯」とは、19歳未満の扶養親族を有する世帯または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯。
※2023年末までに新築の建築確認を受けた一般住宅は経過措置で借入限度額2,000万円・控除期間10年。
中古住宅の借入限度額
| 住宅区分 | 借入限度額 | 控除期間 |
|---|---|---|
| 認定住宅・ZEH水準・省エネ基準適合 | 3,000万円 | 10年 |
| その他の中古住宅 | 2,000万円 | 10年 |
📢 令和8年度税制改正大綱の動向
令和8年度税制改正大綱では、住宅ローン控除の適用期限を令和12年(2030年)12月31日まで5年延長する方針が示されています。子育て・若者夫婦世帯の借入限度額上乗せ措置も拡充される方向です。改正は順次施行されるため、繰上返済・借換え・物件購入のタイミング判断には最新情報の確認が必要です。
控除額のシミュレーション
📐 シミュレーション前提条件
- 令和7年入居の認定長期優良住宅
- 子育て世帯(借入限度額5,000万円)
- 住宅ローン4,500万円・35年返済・固定金利1.5%
- 年収800万円(所得税率20%)
| 年 | 年末ローン残高(概算) | 控除額(残高×0.7%) |
|---|---|---|
| 1年目 | 4,400万円 | 308,000円 |
| 5年目 | 3,950万円 | 276,500円 |
| 10年目 | 3,360万円 | 235,200円 |
| 13年目 | 2,990万円 | 209,300円 |
| 13年合計 | ― | 約338万円 |
必要書類リスト【住宅区分別】
初年度の確定申告で必要な書類は、住宅区分により異なります。共通書類と区分別の追加書類を整理します。全員に共通する書類
| 書類名 | 入手先 | タイミング |
|---|---|---|
| 確定申告書(第一表・第二表) | 国税庁/税務署 | e-Taxまたは手書き |
| (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書 | 国税庁/税務署 | e-Taxで自動計算 |
| 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | 金融機関 | 10〜11月頃に郵送 |
| 建物・土地の登記事項証明書 | 法務局 | 引渡後すぐ取得可能 |
| 建物・土地の売買契約書/工事請負契約書のコピー | 手元保管 | ― |
| マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類) | 市区町村 | ― |
| 源泉徴収票(会社員のみ・原本提示でなく内容入力) | 勤務先 | 12月〜翌1月 |
| 本人名義の銀行口座情報(還付金振込先) | 手元保管 | ― |
住宅区分別の追加書類
| 住宅区分 | 追加で必要な書類 |
|---|---|
| 認定長期優良住宅 | 認定長期優良住宅建築等計画の認定通知書のコピー+住宅用家屋証明書 |
| 低炭素住宅 | 低炭素建築物新築等計画認定通知書のコピー+住宅用家屋証明書 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 住宅省エネルギー性能証明書 または 建設住宅性能評価書のコピー |
| 省エネ基準適合住宅 | 住宅省エネルギー性能証明書 または 建設住宅性能評価書のコピー |
| 中古住宅(築年数要件超) | 耐震基準適合証明書/既存住宅性能評価書/既存住宅売買瑕疵保険のいずれか |
| 買取再販住宅 | 買取再販住宅の証明書 + 増改築等の工事証明書 |
| 床面積40㎡以上50㎡未満 | 合計所得1,000万円以下を証する書類(源泉徴収票等) |
| 補助金を受けた | 補助金等の額を証する書類(交付決定通知書等) |
| 親からの贈与を受けた | 贈与税申告書(住宅取得等資金贈与の特例適用時) |
| 連帯債務 | 連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書 |
⚠️ よくある提出漏れ
省エネ基準適合住宅・ZEH水準住宅の確定申告では「住宅省エネルギー性能証明書」または「建設住宅性能評価書」のコピーが必須です。建築会社・ハウスメーカーから別途交付される書類で、引渡時に紛れ込んでいることが多いため要確認。提出漏れがあると控除そのものが受けられないので、早めの確認をおすすめします。
確定申告書の書き方【記入例】
確定申告書の作成は「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」から始めます。e-Taxの確定申告書等作成コーナーを使うと自動計算されますが、各項目の意味を理解しておくと入力ミスを防げます。計算明細書の主な記入項目
| 記入項目 | 参照する書類 | 記入のポイント |
|---|---|---|
| 住所・氏名・職業 | ― | 住民票の住所と一致させる |
| 居住開始年月日 | 住民票 | 引渡日でなく入居日 |
| 家屋・土地等の取得対価 | 売買契約書/請負契約書 | 税込価格(消費税含む) |
| 家屋の総床面積 | 登記事項証明書 | 登記簿の床面積 |
| あなたの持分 | 登記事項証明書 | 単独なら100%、共有なら持分割合 |
| 居住用部分の家屋の床面積 | 登記事項証明書 | 店舗併用なら居住部分のみ |
| 年末ローン残高 | 年末残高証明書 | 12月31日時点の残高 |
| 不動産番号(または登記事項証明書添付) | 登記事項証明書 | 番号記入で証明書添付省略可 |
計算明細書の数値記入例
仮設例:取得対価4,500万円・自分の持分100%・居住部分100%・年末ローン残高4,400万円・認定長期優良住宅・子育て世帯のケース🧮 控除額の自動計算例
①取得対価:45,000,000円
②あなたの持分割合:100%
③あなたの持分に係る取得対価:45,000,000円
④年末ローン残高:44,000,000円
⑤あなたの持分に係る年末ローン残高:44,000,000円
⑥居住用部分割合:100%
⑦控除対象残高:44,000,000円
⑧借入限度額:50,000,000円(認定住宅・子育て世帯)
⑨控除対象残高(⑦と⑧の少ない方):44,000,000円
⑩控除率:0.7%
⑪控除額:308,000円
確定申告書第一表・第二表への転記
計算明細書で算出した控除額を、確定申告書第一表「住宅借入金等特別控除」欄に記入します。会社員の場合の主な記入項目:| 記入箇所 | 記入内容 |
|---|---|
| 第一表「収入金額等」給与 | 源泉徴収票の支払金額 |
| 第一表「所得金額等」給与 | 源泉徴収票の給与所得控除後の金額 |
| 第一表「所得から差し引かれる金額」 | 源泉徴収票の所得控除合計 |
| 第一表「税金の計算」住宅借入金等特別控除 | 計算明細書で算出した控除額 |
| 第一表「税金の計算」源泉徴収税額 | 源泉徴収票の源泉徴収税額 |
| 第一表「還付される税金」 | 源泉徴収税額 − 算出税額の差額 |
「控除証明書の交付を要しない場合」欄に注意
計算明細書の最下部「控除証明書の交付を要しない場合」欄には絶対に丸を付けないでください。丸を付けると税務署から年末調整用の控除証明書が発行されず、2年目以降の年末調整で住宅ローン控除を受けられなくなります。会社員は必ず空欄のまま提出してください。e-Taxでの申告手順
最も効率的なのはe-Tax(確定申告書等作成コーナー)での申告です。マイナンバーカードとスマホがあれば自宅で完結します。e-Tax入力の流れ
| ステップ | 作業内容 |
|---|---|
| 1 | 国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセス |
| 2 | 「作成開始」→「所得税」→「マイナンバーカード方式」を選択 |
| 3 | スマホ/ICカードリーダーでマイナンバーカードを認証 |
| 4 | マイナポータル連携で源泉徴収票・控除証明書を自動取得(任意) |
| 5 | 給与所得・各種所得控除を入力 |
| 6 | 「税額控除」→「住宅借入金等特別控除」を選択 |
| 7 | 居住開始年月日・住宅区分・取得対価・床面積・持分等を入力 |
| 8 | 年末ローン残高を入力(調書方式の場合は自動取得) |
| 9 | 控除額が自動計算される |
| 10 | 添付書類をPDF/画像で送信 |
| 11 | 送信→受信通知の確認→控えを保存 |
💡 実務のポイント:調書方式の対応金融機関なら年末残高証明書不要
2022年税制改正で導入された「調書方式」に対応している金融機関で借り入れた場合、年末残高情報が国税当局へ電子データで通知されるため、確定申告時の年末残高証明書の添付は不要です。e-Tax入力時に「金融機関から証明書を受け取らない」を選ぶと、自動取得モードに切り替わります。対応状況は金融機関に確認してください。
連帯債務・ペアローンの処理
夫婦で住宅を共有名義にして連帯債務やペアローンを組んだ場合は、夫婦それぞれが確定申告を行います。連帯債務とペアローンの違い
| 項目 | 連帯債務 | ペアローン |
|---|---|---|
| 契約数 | 1本のローンを夫婦で連帯 | 夫婦各1本ずつ計2本 |
| 団信 | 通常は主債務者のみ | 夫婦それぞれ加入可能 |
| 住宅ローン控除 | 負担割合に応じて夫婦各々 | 借入額に応じて夫婦各々 |
| 必要書類 | 連帯債務がある場合の年末残高計算明細書 | 各人の年末残高証明書 |
申告時の注意点
夫婦それぞれが控除を受けるには、それぞれが確定申告を行います。各人の取得対価分担額・年末ローン残高を計算し、登記簿の持分割合と整合させる必要があります。持分割合と負担割合がずれている場合、贈与税の対象となる可能性があるため要注意です。妻が育休中の場合の落とし穴
連帯債務・ペアローンで妻が育休中で所得が少ない場合、妻側の控除が活用しきれずもったいないケースが発生します。所得税で控除しきれない部分は住民税からも控除されますが、住民税控除には上限(97,500円)があります。育休中で所得税が少ない年は、控除枠を活かしきれない可能性があるため、長期視点での試算が必要です。確定申告ドットコム
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初年度の確定申告が承認されると、2年目以降は会社員の方は年末調整で控除を継続できます。2年目以降の必要書類
| 書類名 | 入手先・タイミング |
|---|---|
| 年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書 兼 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書 | 税務署から10月頃郵送(残期間分まとめて) |
| 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書 | 金融機関から10〜11月頃郵送 |
個人事業主の場合
個人事業主は2年目以降も自分で確定申告を続ける必要があります。年末調整の概念がないためです。毎年「年末残高証明書」を確定申告書に添付して申告します。引っ越し・転勤時の注意
控除期間中に引っ越しで居住しなくなると、その年から控除を受けられなくなります。ただし転勤等の単身赴任で家族が引き続き居住していれば控除継続可能です。再入居した年からは控除を再開できますが、要件確認が必要です。よくある間違いと提出時の注意点
実務でよく見かけるミスを整理しました。| よくある間違い | 正しい対応 |
|---|---|
| 居住日と引渡日を混同 | 住民票の異動日(=居住日)を記入 |
| 省エネ性能証明書を提出忘れ | 省エネ住宅は必須。建築会社に交付確認 |
| 「控除証明書の交付を要しない」に丸 | 空欄のまま。丸付けると2年目以降が面倒 |
| 取得対価に消費税抜き金額を記入 | 税込金額を記入 |
| 床面積40㎡未満 | 原則50㎡以上必要(40㎡特例の所得要件確認) |
| 親族からの借入を住宅ローン扱い | 金融機関等の借入のみ対象 |
| 勤務先からの低利借入を申告 | 金利0.2%以上等の要件あり、要件確認 |
| 連帯債務で1人だけ申告 | 負担割合に応じて夫婦それぞれ申告 |
| 合計所得2,000万円超で申告 | 所得制限超過時は適用不可 |
| 店舗併用住宅で全床面積を申告 | 居住用部分(原則1/2以上)に按分 |
ふるさと納税・医療費控除との併用判断
住宅ローン控除を受けると、ふるさと納税や医療費控除の効果が変わるため、組合せ判断が必要です。ふるさと納税との関係
💡 実務のポイント:給与所得者は通常影響なし
給与所得者の場合、住宅ローン控除は所得税から先に差し引かれ、控除しきれない分が住民税から控除されます。ふるさと納税の特例分は住民税の所得割からの控除のため、住民税控除枠を奪い合うようでいて、実際は影響しないケースが多いです。ただし、初年度の確定申告でふるさと納税も併せて申告する場合、ワンストップ特例が使えなくなるため、寄附した自治体すべての寄附金受領証明書を集めて確定申告に含める必要があります。
医療費控除との関係
医療費控除は所得控除(課税所得から差し引く)、住宅ローン控除は税額控除(税額から差し引く)なので、両方受けられます。初年度に医療費控除も併せて申告する場合、確定申告書に両方の控除を記入します。よくある質問(FAQ)
まとめ:住宅ローン控除初年度確定申告のポイント
📋 この記事のポイント
- 初年度は会社員でも確定申告が必要、2年目以降は年末調整で完結
- 令和6年以降の新築は省エネ基準適合が事実上の必須要件
- 令和7年入居は子育て・若者夫婦世帯に借入限度額の上乗せあり(最大5,000万円)
- 必要書類は10月〜翌1月にかけて収集。登記事項証明書は早めに取得
- 計算明細書の「控除証明書交付不要」欄は絶対に空欄(丸禁止)
- 連帯債務・ペアローンは夫婦それぞれが確定申告。負担割合と持分割合の整合必須
- 調書方式対応金融機関なら年末残高証明書の添付不要
- 申告し忘れても5年遡及可能。繰上返済前は試算してから判断
- 令和8年度税制改正大綱で2030年12月末まで延長方針
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