扶養控除と配偶者控除の違い【103万円・123万円・160万円・201万円の壁を完全整理】

扶養控除と配偶者控除の違い【103万円・123万円・160万円・201万円の壁を完全整理】
鮎澤パートナーズ|税理士・公認会計士・社会保険労務士・行政書士
税理士(第142873号)・公認会計士(第28451号)・社会保険労務士・行政書士が監修。年間500件以上の確定申告を支援。
📋 税理士・社労士監修 🆕 2025年税制改正対応 ⚖️ 6つの壁を完全整理

扶養控除と配偶者控除の違い【103万円・123万円・160万円・201万円の壁を完全整理】

扶養控除と配偶者控除はよく混同されますが、対象者・控除額・年収の壁が異なります。本記事では2025年税制改正で動いた最新ルール(103万→123万・150万→160万)、新設の特定親族特別控除(19-22歳・最大63万円)、社会保険の106万円・130万円の壁との関係、保険満期返戻金などの「合計所得」の落とし穴まで、税理士・社労士が実務目線で完全解説します。

🏆 結論:配偶者は配偶者(特別)控除、それ以外の親族は扶養控除

配偶者は配偶者控除・配偶者特別控除(年収の壁123万円・160万円・201.6万円)、それ以外の親族(子・親・兄弟姉妹)は扶養控除(年収の壁123万円)の対象です。両者は対象が排他的なので、配偶者は扶養控除を、扶養親族は配偶者控除を受けることはできません。2025年税制改正で年収の壁が大きく見直され、19-22歳の子向けには「特定親族特別控除」が新設されました。社会保険の壁(106万円・130万円)は税制とは別に存在します。

## 配偶者控除と扶養控除の根本的な違い 両者はどちらも「家族を養っている納税者の税負担を軽減する所得控除」ですが、対象者・年齢・所得制限などが異なります。最も重要な違いは「配偶者は配偶者控除、それ以外の親族は扶養控除」という対象者の排他関係です。 ### 5つの根本的な違い
項目 配偶者控除・配偶者特別控除 扶養控除
対象者民法上の配偶者のみ(事実婚は対象外)配偶者以外の親族(子・親・兄弟姉妹等)
年齢要件なし(70歳以上は老人控除対象配偶者)16歳以上
人数制限1人のみ(配偶者は1人だけ)人数制限なし
納税者の所得制限合計所得1,000万円以下なし
対象者の所得要件合計所得58万円以下(控除)/58〜133万円(特別控除)合計所得58万円以下
### 対象が排他的だから二重取りはできない 配偶者控除と扶養控除は対象者が排他関係にあるため、同じ人について両方の控除を受けることはできません。たとえば「配偶者」を扶養控除の対象とすることはできず、「子ども」を配偶者控除の対象とすることもできません。これは制度設計上、配偶者控除のほうが扶養控除より所得制限・控除額が異なる扱いになっているためです。 ### 共働き世帯の控除取得は所得の高い側へ 夫婦共働きで子どもがいる場合、子どもの扶養控除をどちらが取るかは選択できます。実務では所得税率が高い側(所得の高い側)に集めるのが基本です。所得税率33%の夫が控除63万円を取れば年20.79万円の節税ですが、所得税率10%の妻が取ると年6.3万円にしかなりません。

💡 実務のポイント

夫婦共働きで子の扶養を夫から妻に切り替えるだけで年10万円以上の節税になるケースがあります。ただし、扶養控除は所得税の話であって、社会保険上の被扶養者は別判定(収入が多い側で扶養)です。所得税で夫が控除を取り、社会保険で妻の被扶養者にするという「ねじれ運用」も技術的には可能ですが、健康保険組合の運用が厳しい場合があるため事前確認をおすすめします。

## 2025年税制改正の全体像 2025年(令和7年)税制改正で、基礎控除と給与所得控除が引き上げられ、配偶者控除・扶養控除の年収要件も連動して変更されました。改正は2025年12月1日施行で、2025年分の年末調整・2026年の確定申告から適用されます。 ### 改正の中核:基礎控除と給与所得控除の引き上げ
控除名 2024年まで 2025年から 変動幅
基礎控除(標準)48万円58万円+10万円
基礎控除(合計所得132万円以下)48万円95万円+47万円
給与所得控除最低額55万円65万円+10万円
### この改正でなぜ「年収の壁」が動くのか 「年収の壁」は、控除を組み合わせた結果として現れる金額です。たとえば「所得税の壁」は基礎控除+給与所得控除=65万+58万=123万円(標準)または65万+95万=160万円(低所得層)。「配偶者控除の壁」は給与所得控除65万+配偶者の合計所得要件58万=123万円。仕組みを理解しておくと、改正のたびに数字が変わっても自分で計算できます。 ### 6つの主要な年収の壁の変化
年収の壁の意味 2024年まで 2025年から
所得税の壁(標準・本人課税ライン)103万円123万円〜160万円
住民税の壁(本人課税ライン)100万円110万円
配偶者控除/扶養控除の壁103万円123万円
配偶者特別控除(満額38万円)の壁150万円160万円
配偶者特別控除消滅の壁201.6万円201.6万円(据置)
19-22歳の子の特定扶養控除(満額63万円)の壁103万円150万円

📢 「160万円」と「123万円」は別の壁

混乱しやすいので明確に区別しましょう。「160万円の壁」は本人に所得税が課税されない上限(基礎控除95万+給与所得控除65万=160万円)。「123万円の壁」は夫(納税者)が配偶者控除や扶養控除を受けられる上限(給与所得控除65万+合計所得58万=123万円)です。妻が125万円稼いだ場合、妻自身に所得税は発生しないが、夫は配偶者控除を失い配偶者特別控除に切り替わります。

## 配偶者控除の詳細 配偶者控除は、納税者と生計を一にする民法上の配偶者の合計所得が58万円以下(給与のみなら年収123万円以下)の場合に適用される所得控除です。 ### 配偶者控除の4つの適用要件 1. **民法上の配偶者**であること(事実婚・内縁関係は対象外) 2. 納税者と**生計を一にしている**こと(同居・別居は問わない) 3. 配偶者の**合計所得金額が58万円以下**(給与のみなら年収123万円以下) 4. **青色申告者または白色申告者の事業専従者でない**こと ### 控除額は納税者の所得で3段階 控除額は納税者本人の合計所得金額により段階的に変動します。
納税者の合計所得 納税者の年収目安(給与のみ) 通常配偶者 老人配偶者(70歳以上)
900万円以下年収約1,095万円以下38万円48万円
900万円超〜950万円以下年収約1,145万円以下26万円32万円
950万円超〜1,000万円以下年収約1,195万円以下13万円16万円
1,000万円超年収約1,195万円超適用なし適用なし
### 老人控除対象配偶者(70歳以上)の優遇 その年12月31日時点で70歳以上の配偶者は「老人控除対象配偶者」となり、通常配偶者より10万円多い48万円(納税者所得900万円以下のケース)の控除を受けられます。両親世代の年金生活者を配偶者として扶養している場合に重要な区分です。 ## 配偶者特別控除の詳細 配偶者の年収が123万円を超えても、201.6万円までは配偶者特別控除が受けられます。控除額は配偶者の所得と納税者の所得の組合せで段階的に変動します。 ### 配偶者特別控除の控除額(納税者の所得900万円以下)
配偶者の合計所得 配偶者の年収(給与のみ) 控除額
58万円超〜95万円以下123万円超〜160万円以下38万円(満額)
95万円超〜100万円以下160万円超〜166.8万円以下36万円
100万円超〜105万円以下166.8万円超〜175.2万円以下31万円
105万円超〜110万円以下175.2万円超〜183.2万円以下26万円
110万円超〜115万円以下183.2万円超〜190.4万円以下21万円
115万円超〜120万円以下190.4万円超〜197.2万円以下16万円
120万円超〜125万円以下197.2万円超〜201.6万円以下11万円
125万円超〜130万円以下201.6万円超〜205.7万円以下6万円
130万円超〜133万円以下205.7万円超〜213.4万円以下3万円
133万円超213.4万円超適用なし
### 配偶者控除と配偶者特別控除の連続性 配偶者の合計所得が58万円までは配偶者控除(満額38万円)、58万円を1円でも超えると配偶者特別控除(満額38万円)に切り替わります。控除額自体は変わらないため、年収123万円ジャストの「壁」を意識する必要はありません。連続的に減額するのは配偶者の合計所得95万円超からです。納税者の所得が900万円超〜950万円以下の場合は控除額が約2/3、950万円超〜1,000万円以下は約1/3、1,000万円超は適用なしとなります。 ## 扶養控除の詳細 扶養控除は配偶者以外の親族(子・親・兄弟姉妹等)を扶養している場合に適用される所得控除です。年齢区分により控除額が異なります。 ### 扶養親族の年齢区分と控除額
区分 年齢(年末基準) 控除額 該当例
年少扶養親族16歳未満0円乳幼児・小中学生(児童手当に統合)
一般扶養親族16歳以上19歳未満38万円高校生
特定扶養親族19歳以上23歳未満63万円大学生
一般扶養親族23歳以上70歳未満38万円社会人の子・無職の兄弟
老人扶養親族(同居老親等以外)70歳以上48万円別居の親・祖父母
同居老親等70歳以上で同居58万円同居の親・祖父母
### 16歳未満が0円なのは児童手当との二重給付防止 2010年の税制改正で16歳未満の年少扶養親族の控除が廃止されました。これは児童手当(旧子ども手当)との二重給付を避けるためです。乳幼児や小中学生がいる家庭は、税制上の扶養控除はゼロですが、児童手当を別途受給することで実質的な経済支援を受けています。 ### 同居老親等の58万円控除は「実家暮らしの親」の節税 同居老親等は最大の控除額(58万円)が適用される強力な節税ポイントです。「同居」とは納税者または配偶者の直系尊属(父母・祖父母)と同じ家屋に居住していることを指します。介護のために実家に同居する、または親を呼び寄せて同居する場合、所得税率20%の方なら年11.6万円の節税になります。 ### 扶養控除の5つの適用要件 1. **配偶者以外の親族**(6親等内の血族・3親等内の姻族)または都道府県知事の認定を受けた里子等 2. 納税者と**生計を一にしている**こと 3. 扶養親族の**合計所得金額が58万円以下**(給与のみなら年収123万円以下) 4. **青色申告者または白色申告者の事業専従者でない**こと 5. その年12月31日時点で**16歳以上** 「生計を一にする」とは必ずしも同居を意味せず、別居でも仕送り等で経済的に支えていれば該当します。たとえば下宿している大学生の子、地方の親に毎月仕送りしている社会人など。

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## 特定親族特別控除の新設(2025年から) 2025年税制改正で最も注目すべきは、19-22歳の大学生世代向けに「特定親族特別控除」が新設されたことです。従来は子の年収が103万円を超えると親の特定扶養控除(63万円)がゼロになる「崖」がありましたが、改正で滑らかに減少する設計に変わりました。 ### 新設の背景:「親に申し訳なくてバイトを増やせない」問題 従来制度では、大学生の子の年収が103万円を1円でも超えると、親の特定扶養控除63万円がいきなりゼロになり、親の所得税が約12.6万円(所得税率20%なら)増える「崖」がありました。これにより、大学生がアルバイトを抑制せざるを得ず、親も「もっと働いてほしいのに止めざるを得ない」状況が生まれていました。改正後は、この崖が滑らかなスロープに置き換わりました。 ### 特定親族特別控除のしくみ
区分 子の合計所得 子の年収(給与のみ) 親の控除額
特定扶養親族58万円以下123万円以下63万円
特定親族(新設・満額)58万円超〜85万円以下123万円超〜150万円以下63万円
特定親族(段階減額)85万円超〜90万円以下150万円超〜155万円以下61万円
特定親族(段階減額)90万円超〜95万円以下155万円超〜160万円以下51万円
特定親族(段階減額)95万円超〜100万円以下160万円超〜165万円以下41万円
特定親族(段階減額)100万円超〜105万円以下165万円超〜170万円以下31万円
特定親族(段階減額)105万円超〜110万円以下170万円超〜175万円以下21万円
特定親族(段階減額)110万円超〜115万円以下175万円超〜180万円以下11万円
特定親族(段階減額)115万円超〜123万円以下180万円超〜188万円以下3万円
対象外123万円超188万円超0円
### 特定親族特別控除の適用要件 - **生計を一にする19歳以上23歳未満の親族**(配偶者・青色/白色事業専従者は除外) - 子の合計所得金額が58万円超123万円以下(給与のみなら年収123万円超188万円以下) - 親が年末調整で適用を受けるには「給与所得者の特定親族特別控除申告書」の提出が必要 ### 申告書の様式が大幅変更 2025年分の年末調整から「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」という長い名前の統合様式に変更されました。19-22歳の子がいる方は新たに「特定親族特別控除申告書」欄の記入が必要です。 ## 「合計所得58万円」の落とし穴 配偶者控除・扶養控除の所得要件は「合計所得58万円以下」です。「合計所得」には給与だけでなく、見落としやすい所得が複数含まれます。
所得の種類 含まれるか 注意点
給与所得(パート・アルバイト)含む年収から給与所得控除65万円を差し引いた額
公的年金(老齢年金)含む年金額から公的年金等控除を差し引いた額
生命保険の満期返戻金含む(一時所得)満期金 − 既払込保険料 − 50万円特別控除の1/2
不動産賃貸収入含む(不動産所得)家賃収入から経費を差し引いた額
株式売却益原則含む特定口座源泉徴収ありなら源泉分離で除外可
配当所得原則含む特定口座源泉徴収ありで申告不要を選択すれば除外可
退職金原則含む(退職所得)退職所得控除後の1/2の金額
非課税収入(遺族年金・障害年金等)含まない所得税法上は非課税のため

⚠️ 保険満期返戻金で扶養から外れるケース

配偶者の生命保険が満期を迎え、500万円の返戻金を受領、既払込保険料が400万円のケース:一時所得=(500万 − 400万 − 50万)÷2=25万円。これがパート給与所得(年収123万円なら所得58万円)に上乗せされ合計所得が83万円となり、配偶者控除を失います。保険の満期予定がある年は、配偶者の働き方を見直す必要があります。当事務所では、保険の満期年に合わせた所得設計のご相談を多数承っています。

## 6つの「年収の壁」を完全整理 混乱しやすい年収の壁を整理します。**「税制の壁」と「社会保険の壁」は別物**で、社会保険の壁は2025年税制改正の影響を受けていません。
年収 区分 超えるとどうなるか
110万円税制(住民税)本人に住民税が発生
123万円税制(配偶者/扶養控除)夫が配偶者控除/親が扶養控除を失い特別控除等に切替
106万円社会保険(一定規模事業所)本人が厚生年金・健康保険加入義務
130万円社会保険(被扶養者)夫の健康保険の扶養から外れる
160万円税制(本人の所得税)本人に所得税が発生(配偶者特別控除の満額もここまで)
201.6万円税制(配偶者特別控除)夫が配偶者特別控除を完全に失う
### 社会保険の壁の特例:19-22歳被扶養者は150万円 2025年10月から、健康保険の被扶養者の収入要件が、19歳以上23歳未満については130万円から150万円に引き上げられました。これにより、税制(特定親族特別控除150万円)と社会保険(被扶養者150万円)の壁が概ね一致し、大学生の子のアルバイト管理が分かりやすくなりました。配偶者は従来通り130万円のままです。 ### 130万円超〜160万円の「働き損ゾーン」 社会保険の壁130万円を超えると年20〜40万円の社会保険料負担が発生します。一方、税制の壁160万円までは本人に所得税は発生しません。この「130万円〜160万円」のゾーンは、配偶者の手取りが減って世帯としては「働き損」になる可能性があります。実務では、配偶者の年収を130万円ぎりぎりに抑えるか、思い切って160万円超を目指すかのどちらかをご提案するケースが多いです。 ## 実務の判断フロー:あなたの家族はどの控除? 家族構成別に、適用される控除を判定するフローを示します。
家族構成 配偶者の年収 適用される控除 控除額
専業主婦(夫)0円配偶者控除38万円
パート主婦(夫)120万円配偶者控除38万円
パート主婦(夫)155万円配偶者特別控除(満額)38万円
パート主婦(夫)180万円配偶者特別控除(減額)26万円
配偶者なし+大学生の子―(子の年収100万)特定扶養控除63万円
配偶者なし+大学生の子―(子の年収140万)特定親族特別控除(満額)63万円
配偶者なし+大学生の子―(子の年収170万)特定親族特別控除(減額)21万円
配偶者なし+同居の70歳超の親―(親の年金158万以下)同居老親等58万円
### 控除額別の節税効果(所得税率20%+住民税10%=30%のケース)
控除 控除額 年間節税額
配偶者控除(通常)38万円約11.4万円
配偶者控除(老人)48万円約14.4万円
扶養控除(一般)38万円約11.4万円
特定扶養控除/特定親族特別控除(満額)63万円約18.9万円
同居老親等58万円約17.4万円
## 申告手続き:年末調整 or 確定申告 配偶者控除・扶養控除は年末調整で申告するのが一般的ですが、年末調整漏れの場合は確定申告で取り戻せます。 ### 会社員:年末調整で申告 毎年11月頃に会社から配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」に必要事項を記入して提出します。年末調整で還付されるか、12月の給与で調整されます。 ### 個人事業主・年末調整漏れ:確定申告 確定申告書第一表「配偶者(特別)控除」「扶養控除」欄に控除額を、第二表「配偶者や親族に関する事項」欄に対象者の氏名・生年月日・マイナンバー・年間所得の見積額を記入します。 ### 年末調整漏れの還付申告は5年遡及可能 配偶者控除・扶養控除の年末調整漏れは、5年以内なら還付申告で取り戻せます。2026年中なら令和3年分(2021年)まで申告可能。所得税率20%の方なら、扶養控除1人分(38万円)で年7.6万円×5年=38万円超を取り戻せる可能性があります。 ## よくある質問(FAQ)
2025年から「103万円の壁」はなくなったのですか?
完全になくなったのではなく、別の壁に置き換わりました。①本人の所得税の壁は103万→160万円、②配偶者控除/扶養控除の壁は103万→123万円、③19-22歳の子の特定扶養親族判定の壁は103万→150万円。それぞれの壁を区別して理解する必要があります。一方、社会保険の106万円・130万円の壁は税制改正の影響を受けず変わっていません。
配偶者控除と配偶者特別控除はどう違いますか?
配偶者の年収(給与のみ)で区分されます。年収123万円以下が配偶者控除、年収123万円超〜201.6万円未満が配偶者特別控除です。控除額は両方とも納税者の所得・配偶者の所得・配偶者の年齢で変動。配偶者控除最大38万円(70歳以上は48万円)、配偶者特別控除も最大38万円です。年収123万円ジャストは配偶者控除、123万円1円超は配偶者特別控除(満額38万円)に切り替わるだけで、控除額は同じです。
夫が高所得(年収1,200万円)の場合、配偶者控除を受けられますか?
受けられません。納税者本人の合計所得が1,000万円超(給与年収約1,195万円超)の場合、配偶者控除も配偶者特別控除も適用されません。1,000万円の壁は2025年税制改正でも変更されていません。年収900万円〜1,000万円の納税者は控除額が段階的に減額(38万→13万円)されます。一方、扶養控除には納税者の所得制限がないため、子や親の扶養控除は受けられます。
同居の70歳以上の親を扶養に入れると控除はいくらですか?
同居老親等として58万円の控除を受けられます。70歳以上で同居している父母・祖父母などが対象。同居していない場合は老人扶養親族として48万円となります。親の年収要件は給与年収123万円以下、または年金収入のみなら年金額158万円以下(65歳以上の公的年金等控除110万円+合計所得58万円要件のため、158万円が上限)です。所得税率20%の方なら年17.4万円の節税になる強力な制度です。
大学生の子のアルバイト年収はいくらまでなら親の控除が満額維持できますか?
2025年から年収150万円まで満額63万円の控除を受けられます(特定親族特別控除)。150万円を超えると段階的に減額され、188万円超で控除が消滅します。一方、社会保険の被扶養者は2025年10月から150万円未満(19-22歳)まで認定されるようになり、税制と社会保険の壁が概ね一致しました。「親に申し訳なくてバイトを増やせない」という従来の制約は大幅に緩和されています。
事実婚(内縁関係)でも配偶者控除を受けられますか?
受けられません。配偶者控除は民法上の配偶者(婚姻届を提出した法律婚)のみが対象で、事実婚・内縁関係は対象外です。事実婚の配偶者は同一生計の人として扶養控除の対象にもなりません。同性パートナーシップ制度のあるパートナーも同様に対象外です。なお、社会保険上は「事実婚の配偶者」も被扶養者として認められるケースがあるため、税制と社会保険で扱いが異なります。
配偶者と離婚した場合、その年の配偶者控除はどうなりますか?
12月31日時点での状況で判定されます。12月31日時点で離婚していれば、その年の配偶者控除は受けられません。ただし、ひとり親控除(35万円)や寡婦控除(27万円)の対象になる場合があります。1月1日に離婚した場合は、前年は配偶者控除、当年はひとり親/寡婦控除という切替になります。離婚後に子を養育しているなら、子は扶養控除の対象になります。
配偶者の生命保険が満期になったら扶養から外れますか?
満期返戻金額によります。一時所得=(満期金 − 既払込保険料 − 50万円特別控除)÷2で計算され、これがパート所得に上乗せされます。たとえば満期金500万円・既払込400万円なら一時所得25万円が加算されるため、パート給与所得が33万円以下(年収98万円以下)に抑えないと配偶者控除を失います。保険の満期予定がある年は、配偶者の働き方を事前に調整する必要があります。当事務所では満期年に合わせた所得設計をご相談承っています。
扶養控除を年末調整で申告し忘れた場合、確定申告で取り戻せますか?
取り戻せます。年末調整で配偶者控除や扶養控除の申告を忘れた場合、確定申告(還付申告)で還付を受けられます。還付申告は5年遡及可能なので、過去5年分まで申告できます。所得税率20%の方なら、扶養控除1人分(38万円)で年7.6万円×5年=38万円超を取り戻せる可能性があります。当事務所では遡及申告の代行も承っています。
扶養関係の最適化を税理士に依頼するメリットは何ですか?
①家族構成と年収から最適な扶養者の判定(高所得側に集める)、②税制の壁と社会保険の壁を両方考慮した年収設計、③特定親族特別控除の最大活用、④保険満期返戻金や年金等の合計所得への影響判定、⑤家族手当の喪失影響を含めた世帯手取り最大化、⑥過去5年遡及の還付申告など、年収の壁が複雑化した今、専門家活用の価値が高まっています。当事務所では税理士+社労士のワンストップで世帯収入の最適化をご提案します。
## まとめ:扶養控除と配偶者控除のポイント

📋 この記事のポイント

  • 配偶者は配偶者(特別)控除、それ以外の親族は扶養控除(対象は排他的)
  • 2025年税制改正で配偶者控除/扶養控除の壁が103万→123万円に
  • 本人の所得税の壁は103万→160万円(基礎控除95万+給与所得控除65万)
  • 配偶者特別控除満額(38万円)の壁は150万→160万円に拡大
  • 19-22歳の子の壁は103万→150万円(特定親族特別控除新設)
  • 納税者の所得1,000万円超は配偶者(特別)控除の適用なし。扶養控除は所得制限なし
  • 同居老親等の控除58万円は所得税率20%なら年17.4万円の節税効果
  • 社会保険の106万円・130万円の壁は税制と別。19-22歳被扶養者は150万円に
  • 合計所得には保険満期返戻金・株式売却益・年金等も含まれる落とし穴あり
  • 5年遡及で過去の年末調整漏れも還付申告で取り戻し可能
「年収の壁が複雑で家族の働き方を最適化できない」「子のアルバイト収入と特定親族特別控除の関係を整理したい」「保険満期年に合わせた所得設計をしたい」「過去の扶養申告漏れを取り戻したい」「家族手当の影響まで含めて最適な年収設計を知りたい」とお考えの方は、ぜひ鮎澤パートナーズにご相談ください。税理士・社労士・行政書士のワンストップで、税制と社会保険の壁を両方考慮した世帯収入の最適化をご提案いたします。

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